たられば

Smalltalk システムは、ある意味、現在主流のコンピュータ環境(OS)のあり方のパラレルワールドを示したものだと言えます。Squeak システムは言うなればその末裔です。ファイルシステムに依存せず、オブジェクトメモリという仮想デバイスによりデータやプログラムは管理されています。もし、Smalltalk を OS として搭載する ALTO が製品化され、販売されることがあったら、現在主流のコンピュータ環境は、今のものとはちょっと違ったものになっていたか、あるいは、それを嫌って、もっと早くから Unix の天下になっていたかどちらかでしょう。

もうひとつ、ちょっとレイヤーは違いますが、ビル・アトキンソンが言うように、もしジョブズ達が PARC を訪れず、Smalltalk システムで動く ALTO を見ることがなかったら、“Lisa”はどんなルック&フィールのコンピュータになっていたでしょう。これもある意味、パラレルワールドだと思います。私は、今の Mac や Win のような代物にはけっしてならなかっただろうと想像します。これは、Smalltalk システム見学前の Lisa のプロトタイプが、その後の Lisa のプロトタイプとまったく違う様相を示していることもからも伺えることです。彼らのそれまでの計画は、Smalltalk システムに文字通り“汚染”されてしまったのだと思います。アナザーワールドの Lisa や Mac も、オープンにされるとおもしろいでしょうに。たぶんぜったい無理ですが(^_^;)。