Smalltalk = 名前のわりに使ったことがある人がいない言語


同時に、名前が知られているわりに、日常、そこからどんな恩恵をうけているのかについて具体的には知られていないソフトウエア…だとも言えそうですね。とくに MacRuby のファンは Smalltalk が何だかを知らずに、それぞれのお気に入りの特徴の自慢をしたりすると、思わぬ恥をかくことがあるので要注意です。w


私は使ってます? - みねこあときどきの雑記帖 i戦士篇 : Smalltalk 経由で、アキバ系!電脳空間カウボーイズ: 第百九十六回 電脳空間バレンタイン 後編 での言及より。(以下、ネタバレ?注意)

1位、やっぱさ。愛が伝わらないとね。

愛?

あぁ。

愛?

そうでしょ。バレンタインに贈るんだから。

わかった! わかった。 これだこれ。ロマンチックな言語でいこうよ、やっぱり。ロマンチックな。1位は…

はい。

Smalltalk」です!

えー? ロマンチックなの?

ロマンチックじゃん!

はぁ…

だって Smalltalk って、開発されて、使ってる人ほとんどいないのに、いまだにこう連綿と、そのぉ、伝説だけが受け継がれている幻の言語だよ。これ、なんかもう、ミスター味っ子でいったら「ツバメの巣」くらい価値があるよ。

わはははは。

Smalltalk っていうのがあるだ」みたいな。「実際、使ったことはねーだ」みたいな。たぶん、世界でももっとも有名、かつ、もっとも使った人がいない言語。つまり、その名前のわりに使ったことがある人がいない言語、1位…だと思うよ。俺。Smalltalk は。

確かにそうかもしれない。

まあ、ぶっちゃけ俺は Smalltalk の言語解説書は4冊くらい読んでるけど、まだ使ったことはないです。

ほお。4冊も読んでるんだ。そこにちょっとビックリしちゃった。

いや。だから、Smalltalk …ね。オブジェクト指向の、まあいわば元祖みたいなもんじゃん。その、オブジェクト指向言語オブジェクト指向環境の。やっぱ読んどかなくちゃいけないかなーと子供のころ思ったわけよ。で、高校生くらいのときに4冊くらい読んだわけよ。大学の図書館に行って。けど、「Smalltalk ってすげーな」とか思ったけど、俺のパソコンでは Smalltalk 動かないし。そもそも、いったいどこに行けばそれが動くパソコンがあるかも分からないし。うん。まあ幻の言語だよね。

たしかにね。Smalltalk は…。うん。しかも、Smalltalk でこんなすごいことができるっていう話もあんまり聞いたことがないしね。

でも、なんかアラン・ケイの論文とか読むと、なんかその小学生が Smalltalk で作曲したりとかしているんだよね。

へぇ。マジで?

だって Smalltalk はもともと子供に使わせるために作られた言語だから。なんか十何歳とかの子供とかに、そういうのを教えて、たとえばなんかその、絵を描くプログラムを書かせたりとか、作曲するプログラムを書かせたりとか、そういうことをさせて、それを実験として論文が書かれているんだよ、Smalltalk の。だからやったんだね、確かに、じっさい。だから、そういう意味ではすっごい伝説の言語なんだよね。エンドユーザープログラミングっていうか、あれがなかったら「ダイナブック」って発想もない、「パーソナル・ダイナミック・メディア」って発想もないし、GUIもなかったわけだから。そういう意味では伝説的な言語です。で、Smalltalk を勉強したい人、今ね、スクワーク(スクイーク)っていうね、なんか Smalltalk 互換環境があるんで。ま、勉強したければできるんで。俺は全然勉強したくないけどね。ま、でも、ロマン感じるでしょ、それ?

まあね。歴史ロマン的なね。


たしかに Smalltalk-80 の時代は(Apple Smalltalk を除けば)非常に高価で近寄りがたかった“幻の存在”の Smalltalk でしたが、今ならば(その直系の)VisualWorksSqueak が無償配布されているので、Smalltalk のファンとしては、もっと多くの人に気軽に接する機会をもってもらいたいですね。Smalltalk は昔と変わらず(いや、かかわる人の数や多彩さから言えばかつてないほどに)健在だよ!、それにこういう風変わりな OS も十分現在に通用する“有り”なものなんだよ!って知ってもらえるように。

やたらと Smalltalk を滅びたことにしたがる(でも Smalltalk の開発の経緯や実際、最近の開発状況や実績などを知ろうともしない)人達の“デマ”に惑わされることなく!w