Cincom Smalltalk(VisualWorks)を使ったスクリーンキャスト


Smalltalk は文法や仕組みはおどろくほど簡単なくせに、なぜか文書を通じて学ぶのが難しい言語処理系です。その背後にあるもののうち最初につまずく場所のひとつは、かつて、GUI がまだ一般的でなかったころの Mac において似たようなことが言えたのとも無関係ではないと私は踏んでいます。余談ですが、その道の専門家を気取る人(出たての頃の Mac はともかく、この期に及んで Smalltalk を使い込んだ経験もない自称専門家ってのもどんだけーって感じもしますが(^_^;))ほど、おもちゃ扱いして見くびった態度をみせたり、軽い気持ちで密かに試してみるも手に負えずプライドをひどく傷つけられたりして無用なアンチ分子を生んでしまったりする様子もこわいくらい似ています。w


そんなことはいいとして、Smalltalk における最初の障壁といえば、やはり、よくも悪くも処理系から切り離せない GUI における独特の操作スタイルや機能の配置のセンスです。独特といっても、Win や Mac など、既存の(そして Smalltalk 自身の後継者でもある)GUI OS のどれとも微妙に違うだけのものなのですが、変に似ているところがあるだけにかえって戸惑いのもととなってしまっているように個人的な経験からも感じます。


そんな Smalltalk の最初の障壁をあっというまに越える確実な方法が一つあります。それは、使い慣れた人の操作を横でしばらく見せてもらうことです。式の評価やクラス定義など、自分の興味のある操作をリクエストしてその場で実際にやってもらえたり、逆に適当な作業をしてもらって、興味を引かれたところで今なにしたの?って気軽に割り込みをかけて尋ねられればなおよいでしょう。この点も Mac と実によく似ていて、かつて Finder、MacWrite、MacPaint などを初めて目前にして(書籍でそうとう予習をしたにもかかわらず!)何をしていいかわからない状態の人(俺ねw)でも、なれた人が使っているのをひとたび目にすることができさえすれば、もう次の日からちょっとしたエクスパートばりにレクチャーもどきをこなせたものです。


でも、こと Smalltalk において、そんな恵まれた状況というのは、'80 年代 Mac におけるキヤノンのゼロワンショップ新宿店的な場所でもないかぎり、あまり遭遇できそうもないので、次善の策としてお薦めしたいのが、このスクリーンキャスト。


英語ですが、操作を見ているだけでどこのどんな機能をどう操作すれば目指すことが実現できるか程度はそれなりに把握できるのではないでしょうか。


Cimcom Smalltalk は、Smalltalk-80 の直系にあたる環境で、教育を意識した(そして個人的な思い入れとしては、いにしえの暫定ダイナブック環境っぽい)Squeak Smalltalk と違ってエンプラを強く意識した本格的かつモダンな IDE 然とした環境として進化をとげた Smalltalk です。パーソナルコンピューティング環境(つまり Yet Another な OS のようなもの)としてより、言語処理系的な側面から Smalltalk に興味を持たれる“普通の”かたには、Squeak Smalltalk より、きっととっつきやすいでしょう。


Cincom Smalltalk のインストールについては、次のページが参考になります。