Smalltalk“開発環境”

Smalltalk には確かに、開発環境然としたものが多いので、こう表現されるのはある意味仕方がないことだけれども、そうでない暫定ダイナブック環境時代の Smalltalk システムや、Squeak なんかでもなんの抵抗もなく開発環境として紹介されてしまいがちです(まあ Squeak eToys 専用アプリ化されたら、これはもうりっぱな開発環境だけど…)。暫定ダイナブック環境でもきっとそうだったように、Squeak システムでプログラムを書かずに、文章を書いたり絵を描いていたって別に構わないはずなのに、やっぱり開発環境と呼ばれてしまうのは、単なる環境か開発環境かの判断基準において肝心なのは用途、つまり組むか組まないかではなくて、機能、つまり組めるか組めないかということなんですね。きっと。

コンピュータでプログラムを組むことが特殊なことになったのは、いつの頃からなんでしょう。ま、それはともかく「Smalltalk、イコール、開発環境」というレッテルがあるかぎり、「Squeak、イコール、Smalltalk」で「Squeak、イコール、開発環境」が導き出されてしまうのはある意味やむを得ないことなので、Squeak や ALTO 時代の Smalltalk は、開発環境なんて用途の限られたものじゃなくて、今風の GUI ベースの OS と代わらない位置づけなんだよ(だったんだよ)…なんて話は Smalltalk をちょっと知っている人ほど通じにくい切り口なんだなぁ…といういつもの愚痴でした。

もっとも早晩 Smalltalk システムが(言語としてではなく真のパーソナルコンピューティング環境として!)広く認知され花開く時代がやってくるので、そのときにはこんな愚痴も、笑い話になっていることでしょう…きっと(^_^;)。その日がくるまで、しぶとく生きながらえていたいものです。