NLS のデモ映像

Apple/Lisa の GUI が、よく言われるように“イチから作られた”ものではなく、Smalltalk システムのそれをたたき台に、自らに課した制約(3ボタン→ワンボタン、オブジェクトベース→ファイルベース、動的結合→静的結合、マルチタスク→シングルタスク、エンドユーザーからの開発者の排除)によって得ることができたメリット(主にパフォーマンスや問題の単純化)と引き替えに失ったものの回復(メニューバーの追加、タイトルバーの多機能化、Finder)、そして(これがもっとも重要である)“キメの細やかさ”を加えたものであるとして、では、ALTO で動いていた Smalltalk システムの GUI はどのくらいオリジナリティに溢れたものだったのでしょうか。それを語るには、エンゲルバートの NLS のデモを観ておく必要がありそうです。ということで、探してみたらあっさり見つかりました。良い時代になったものです(^_^;)。


ビデオの反転で“白地に黒”表示にしていたとは聞いていたのですが、通常の CRT の映像をさらにビデオで撮影し、その映像信号を反転していたらしいです。なんと。


あと、エンゲルバート型(ホイールベース)マウスは、斜めの動きができないという説がありますが、これは嘘でしっかり斜めに、しかもなめらかに動いています。正確には、ボールベースに比べて斜めに動かすのにコツがいる、とすべきでしょうね。ちなみにこれと同じマウスが初期の ALTO では使われました(後に、ボールベースに置き換えられています…。しかし、そうすると Lisa のオリジナリティは滑りにくいようにラーバーコートボールを使ったことだけ?(^_^;))。


驚いたのは、NLS の時点でマウスはすでに3ボタンだったことが映像から確認できたことです。つまり、Smalltalk システムで、赤、貴、青ボタンにそれぞれ、対象物指定、対象物へのアクション一覧のポップアップ、対象物を含むウインドウへのアクション一覧のポップアップ、という割り振りがなされたのは後付けだったのですね。GUI がまだ完備されていない初期の Smalltalk-72 において、青ボタンに何が割り振られていたのか、新たな興味が湧いてきました。